ガイヤの夜明け【緊急取材!ゴーン失脚の真相】12/25

ガイアの夜明け【緊急取材!“ゴーン失脚”の真相】2018年12月25日(火)
22:00~22:54放送。

なぜカリスマ経営者は退場したのか?ゴーン元会長の逮捕劇から1カ月。潜行取材の中で浮上してきた「新たな事実」を検証。巨大自動車メーカーの行方はどうなる?

「ゴーン会長逮捕!」11月中旬、世界を震撼させるニュースが駆け巡った。日産自動車のカルロス・ゴーン元会長が東京地検特捜部に逮捕された。報酬を約50億円少なく有価証券報告書に記載した疑いだ。会社の投資資金などを自宅の購入等に充てるなど、不正に流用していた疑いもあるという。なぜ、稀代のカリスマ経営者は、このタイミングで表舞台から退場することになったのか?ガイアの取材班が逮捕から1カ月を緊急取材。捜査当局の狙い、日産現役社員の証言、仏ルノーとの暗闘、日仏両政府の駆け引きなど、水面下で複雑に交錯した「カリスマ退場劇」の真相を追跡!「日産・三菱・ルノー」の3頭立ての自動車連合は、どこに向かうのか? 平成時代の日本経済・企業を見つめ、検証するシリーズ「さよなら平成!君は夜明けを見たか」の第1回目として放送。

【ゴーン元会長逮捕】

11月19日、仏ルノー・日産自動車・三菱自動車の会長であるカルロス・ゴーン(64)が逮捕されるという衝撃的な事件が起きました。理由は『報酬隠し』と思われます。2015年3月期までの5年分の報酬を50億円少なく有価証券報告書に記載させた疑いで、東京地検特捜部に逮捕。さらに直近3年分の役員報酬も少なく記載した疑いで12月10日に再逮捕されています。他にも数千万円の家族旅行の代金を日産に負担させていたり、オランダの子会社がレバノンやブラジルの高級住宅を購入して、無償でゴーン氏が利用。金融商品取引法違反容疑で代表取締役グレッグ・ケリー とともに逮捕。日産自動車の西川廣人社長は、同年11月22日に招集する取締役会議でゴーンを同社の会長職を解任する方針と説明。日産は内部通報により、数か月間の内部調査を行ってきたことをプレスリリースで明らかにしているようです。

これに対して、ゴーン氏側は、元東京地検特捜部部長の大鶴基成氏を弁護人に迎え、徹底的に争う姿勢を見せているようです。

カルロス・ゴーン

1954年3月9日ブラジル生まれ。ルノー会長(2000年6月〜2018年11月)。任期フランスの自動車会社ルノー取締役会長CEO(PDG)にして、日産自動車の前会長社長三菱自動車工業の前会長。またルノーと日産は、2010年以降全世界自動車市場の約10%のシェアを保っているが、ゴーンはルノー、日産自動車、三菱自動車工業の株式の相互保有を含む戦略的パートナーシップを統括する「ルノー・日産・三菱アライアンス」の社長兼最高経営責任者(CEO)を兼務していたが、2018年11月に日本の検察に金融商品取引法違反の容疑で逮捕され、その後解任された。

カルロス・ゴーン
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祖父ビシャラ・ゴーンは、レバノンで生まれ13歳でブラジルに移住しブラジル北部、ブラジルとボリビア国境近くのロンドニア州の奥地 São Miguel do Guaporé サン・ミゲウ・ド・グアポレ でゴム産業に参入。最終的には農産物を売買する会社のオーナーとなった。レバノン系ブラジル人である父 ジョルジ・ゴーンはロンドニア州の州都ポルト・ヴェーリョに居を構え、同じくナイジェリア生まれのレバノン人の女性と結婚。1954年3月9日にカルロス・ゴーンが誕生し。カルロスが2歳くらいの頃、不衛生な水を摂取したことで病気となり、母親とともにリオ・デ・ジャネイロに移転。カルロスが6歳の時、彼の3人の姉妹と母とともに、祖父の母国であるレバノン・ベイルートに転居し、ベイルートのイエズス会系の Collège Notre-Dame de Jamhour(コレージュ・ドゥ・ノートルダム・ドゥ・ジャンブール)で中等教育を受けた。その後、パリ6区にあるプレップスクール Lycée Stanislas(リセ・スタニスラス)、そして、Lycée Saint-Louis(リセ・サン=ルイ)で学ぶ。1974年、エコール・ポリテクニーク(École Polytechnique)(グランゼコールの代表格でエリート養成校の一つ)を卒業し、1978年にパリ国立高等鉱業学校(École des Mines de Paris)で工学博士を取得し卒業。

大学卒業後、1978年に欧州最大のタイヤメーカー、ミシュラン Michelin に入社した。フランス国内で工場長、産業用タイヤ部門の研究開発ヘッドを歴任後1985年、30歳の時に3億ドルの市場を持つ南米ミシュランの最高執行責任者(COO)に任命された。生誕地であるブラジルに戻ったゴーンは、彼に操業の立て直しを命じたフランソワ・ミシュランフランス語版に、ブラジルのハイパーインフレ下における事業の不採算性と困難について直訴。しかしその中で、南米事業部におけるフランス、ブラジル、その他多国籍の従業員の間での最良な業務形態を模索し、クロスファンクショナルマネージメントチームを結成。このブラジルでの多文化体制下での経験は、後に彼の経営理念の核となるクロス・カルチャーな経営スタイルと強さの基盤を形成した。「人は多様性から学び、そして共通性に安らぎを感じる。」とゴーンは語っている。1989年、南米事業部を黒字転換させた、ミシュランの北米事業部の社長兼(COO)に選ばれ[36]、家族を伴い米国サウスカロライナ州グリーンビルへと移転。1990年にミシュランの北米の最高経営責任者(CEO)に昇格する。1996年に、ルノーの上席副社長にヘッドハンティングされ、再びフランスへと居を移したが、1999年にルノーと日産の資本提携が行われた後、ルノーでの役職も維持しながら日産の最高執行責任者(COO)に就任。家族とともに日本に移り住んだ。

世界経済フォーラムインド経済サミット 2009

米フォーブス誌には「過酷な競合が繰り広げられる世界の自動車業界において最も多忙な男」と呼ばれ[32]、日本のメディアからは「セブンーイレブン(早朝から深夜まで非常にハードに働く)」と称され、パリと東京の両拠点での職務に自らの時間を分割するゴーンの航空移動距離は、一年で約15万マイルにのぼる。

マルチリンガルで、アラビア語フランス語英語スペイン語ポルトガル語の5言語を流暢に話す。さらに日本語も学んでおり、日産自動車社内で自らの肉声で語る際には、あえて日本語での演説を行うようにしているという。ブラジルとフランス両国の市民権を有し、また少年期10年の間居住し、初等ー中等教育を修了したレバノンとの強い繋がりも維持。レバノン北部海岸沿いの街 Batrounにある環境に配慮したワイン農場で、ワインの輸出も行う「IXSIR」に出資している。

グレッグケリー

1956年7月生。日産自動車株式会社 代表取締役。

1981年バーンズ&サンバーグ法律事務所にて弁護士として勤務。

1988年北米日産入社。法務部シニア・マネージャー次席弁護士。

1993年同人事部ダイレクター就任。

2005年同社バイス・プレジデント人事・組織担当。

2008年日産自動車株式会社 執行役員就任。

2009年同社 常務執行役員。

2012年同社 代表取締役 常務執行役員。

2015年同社 代表取締役就任。

 

◆オープニング曲  「鼓動~ガイアの夜明け」(作曲/岸利至) ◆エンディング曲  「夜空の花」(作曲/新井誠志)

ガイアとは

ギリシャ神話に登場する「大地の女神」を意味し、後にノーベル賞作家のウィリアム・ゴールディングが「地球」を指して“ガイア”と呼んだことから「ガイア=地球」という解釈が定着している。「ガイアの夜明け」という番組タイトルには、地球規模で経済事象を捉えることで21世紀の新たな日本像を模索すること、そして低迷する経済状況からの再生=「夜明け」を目指す現在の日本を描くという意味合いが込められている。

案内人 江口洋介

ナレーター 杉本哲太

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