前頭側頭型認知症の症状具体例・症状チェックと対処法!・
きょうの健康 4つの認知症 こう治療する「わが道を行く!?前頭側頭型認知症」が2019年4月18日(木)
20:30~20:45 NHKEテレ1東京にて放送されます。
脳の前頭葉や側頭葉の萎縮により起こる「前頭側頭型認知症」。毎日必ず同じ時間に同じ所へ出かける、言葉の意味がわからなくなるなどが特徴。症状チェックや対処を伝える。
脳の前頭葉や側頭葉の萎縮により起こる「前頭側頭型認知症」。毎日必ず同じ時間に同じ所へ出かける、毎日同じドーナツばかり食べるといった、わが道を行くような行動をすることが多く、言葉の意味がわからなくなることもある。比較的若いときに起こり、もの忘れが目立たないため、人が変わったと思われやすい。好きな作業を日課にしたり、家族の適切な接し方で、困った行動を減らすことが可能。症状チェックや対処法を伝える。
講師
大阪市立弘済院附属病院副病院長…中西亜紀,
キャスター
黒沢保裕,岩田まこ都
前頭側頭型認知症(ぜんとうそくとうがたにんちしょう、英: Frontotemporal dementia、FTD)は前頭側頭葉変性症(FTLD)の臨床症状である。アルツハイマー型認知症(AD)、脳血管性認知症(VaD)、レビー小体型認知症(DLB)とともに「四大認知症」の一つとされる。もともとはピック病(Pick’s disease)と呼ばれていた。初期段階では認知機能は比較的保たれており、パーソナリティと行動の変化が特徴的である。
症状
前頭葉というのは、人の意欲や想像力、注意力、判断力、記憶力、思いやりの気持ちなど、さまざまな働きがある。前頭葉の働きが衰えると記憶力が低下し、行動や感情をコントロールすることが困難になる。側頭葉には言葉を理解して言葉を出すための「言語野」という脳がある。側頭葉の萎縮が強くなると、話しにくかったり言葉がぱっと出ないなどの障害も出る場合がある。アルツハイマーとは異なり、物忘れや徘徊(はいかい)といった認知症によくみられる症状は少ない。
症状が進行するにつれ、FTD患者は社会的に孤立し、ひきこもってしまうことも多い。
分かりにくい症状
- 初期には日常生活に支障はなく症状が見えにくいこともある。アルツハイマー型などと違って物忘れや徘徊といった認知症によくみられる症状は少ない。
- そのため本人や家族は認知症と気づかないことが多い。
- 仕事を続けられている患者も珍しくはない。
主な徴候や症状
行動や気分の変化(衝動性)。あまり理性が働かなくなる。深い判断や思慮ができなくなる。自制力が低下する。感情を抑制したり行動を制御したりすることができなくなる。衝動を抑制しづらい。
- 活発に外出しようとする。
- 暴力的になる。
- 反社会的な行動を繰り返すことが多い。社会規範から逸脱する。
- 自分の思うままの行動をとる。
- こだわりが強くなる。(こだわりの強い行動)
- 無関心
- 感情の鈍麻
- 患者がしようとする行動を止めようとすると混乱することがある。家族が患者の行動を制止しようとするとすごく興奮し、怒ってしまう。
- 過食、テーブルマナーの逸脱。
- 公衆衛生の低下, ごみ屋敷。
- 自分の思うままの行動をとる。
言動の問題
- 言語障害。表出言語と受容言語の両方における欠損。
- 他人の発言を機械的に繰り返す。
思考の問題
- 計画立案、判断、チーム力の低下
- 記憶力の低下。少し物忘れが多くなる。
- わけもなくうろうろと歩きまわる。
症状の具体例
- スーパーで同じ商品を同じ時間帯に買う。
- 同じような料理ばかり作るようになる。
- 人の食べ物を横取りする。
- スーパーで総菜を手づかみで食べる。
- 甘いものばかり食べている。
- スーパーで袋菓子を開けて子どもたちに配る。
- 万引きを繰り返す。経済的に困っていなくても万引きをする。自分でもよく分からないうちにものを盗んでしまうことが多い。万引きをした理由を聞いても「なんで取ってしまったか分からない」と言う。
- 赤信号の無視など交通ルールを守らない。車を運転中に赤信号を無視して走行する。
- 他人の花壇の花を抜く。
- 冠婚葬祭で暴れる。
- 部屋の片付けができなくなる。
- 無口だった人が急に冗舌になる。