更年期・ダイエット?(エクササイズ) 自律神経との関係は!?
ごごナマ「自律神経で変わる! 更年期・睡眠」が2019年1月31日(木)14:05~14:55 NHK総合1にて放送されます。
更年期、イライラ、睡眠…。体調改善のカギを握るのが「自律神経」。それぞれの対処法を、自律神経のスペシャリストの医師が指南。簡単なエクササイズも実演する。
更年期、イライラ、睡眠…。体調改善のカギを握るのが「自律神経」。それぞれへのお悩みへの対処法を、自律神経のスペシャリスト・医師の小林弘幸さんが指南。その場でできる簡単なエクササイズも実演する。★更年期:改善の秘訣は「なまけ上手になれ!」★イライラ:ワンツー呼吸、自分を見つめる★睡眠:あなたの悪い習慣をチェック!●湯山玲子さんの「中高年・人生相談」でも、もやもやを解消!♦
《更年期》
症状
更年期障害の症状は、大きく身体的症状と精神的症状に分けて捉えることができます。
身体的症状
- 頭痛
- ほてり
- めまい
- のぼせる
- だるさや疲労感
など
精神的症状
- 憂鬱
- やる気が出ない(無気力)
- 不安を感じる
- 気持ちが落ち込む
など
いわゆる不定愁訴に属する症状が多く、その強弱は精神的要素が関与している。この時期は空の巣症候群や職場での問題・家族の介護などでストレスを抱えやすいことも一因と言われている。「血管運動神経症状」と「精神神経症状」および「その他の症状」の3つに分類される。エストロゲンの欠乏は多くの症状に関与され、特に「血管運動神経症状」への影響が強いと言われています。更年期障害の症状は多くは自然に軽快するとも言われています。
血管運動神経症状 | 顔の火照り、ホットフラッシュ、異常発汗、動悸、眩暈 |
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精神神経症状 | 情緒不安、イライラ、不安感、抑うつ、不眠、頭重感 |
その他の症状 |
|
症状の発現頻度には人種差があり、日本人では肩こり、易疲労感、頭痛、のぼせ、腰痛、発汗異常の症状が多いとされる。
更年期や閉経を迎えることは、自然な現象です。ただし、更年期であることと更年期障害であることは異なる問題です。更年期障害の症状は非常に多様で、上記以外にもさまざまな問題が生じることがあります。心身に何らかの不調が生じている場合は、更年期であるからと我慢せず、医療機関に相談しましょう。
治療
更年期障害の改善では、生活習慣を整えることが重要です。具体的には下記のようなことがよいと考えられます。
- 運動を習慣化する
- 食事療法を行う
- 規則正しい生活を心がける
- 過度の飲酒や喫煙は避ける
そのうえで、更年期障害に有用とされている治療法としていくつかの薬物療法があります。
代表的な方法として、ホルモン補充療法(HRT: Hormone Replacement Therapy)・漢方薬・抗うつ薬・安定剤などが挙げられます。
根本的な治療としてはホルモン補充療法が有効。対症療法としては、漢方薬やプラセンタ、向精神薬など使用される。特に、自律神経障害のようなエストロゲン欠乏が直接関与する症状には、基本的にホルモン補充療法が選択される。HRTなどのホルモン補充療法は、血管運動神経症状には有効性が高いものの、精神症状には無効である場合があり、抗不安薬や抗うつ剤が使用される。一方で、家庭問題や周辺環境との不適合などの問題を傾聴する対話療法にも症状の改善効果が見られる。
ホルモン補充療法
閉経前後に体内で不足してきた女性ホルモン(エストロゲン)を、飲み薬(経口剤)や貼り薬(貼付剤)として補充するホルモン補充療法(HRT)が行われる。血管運動神経症状に著効するが、抑うつなどの精神神経症状にも効果を認める場合もある。更年期に伴って発症したうつ病に対しての効果は評価が定まっていない。 欧米ではすでに30年以上の実績があり、日本でも十数年来行われてきた療法で、更年期障害を改善しクオリティ・オブ・ライフを高め日常生活を快適に過ごすために有効かつ適切な療法として評価・活用されているが、まだ月経がある患者や、血中エストロゲンがまだ保たれている患者は適応とならない。
HRTを継続して受けている間に、運動・食事・検診などにも注意するようになるという副次効果も推察されている。月経の有無や症状の種類に応じ、エストロゲン単剤あるいはエストロゲン・黄体ホルモン配合剤などが使用される。子宮筋腫などにより、子宮を摘出済みの患者に対しては、エストロゲン単独投与が行われる。HRTは骨粗鬆症改善効果や美肌効果、アンチエイジング効果、脂質代謝改善効果も併せ持つが、投与方法によっては乳癌、子宮体癌、卵巣癌といった婦人科系悪性腫瘍が若干増加することがあるほか、下肢血栓症など血液凝固系疾患が増えるという欠点がある。ただし、子宮体癌については、黄体ホルモンを併用投与することで子宮体癌のリスクをゼロにすることができる。HRTの治療期間としては概ね5年間が目安とされ、それ以上の継続投与はケースバイケースである。
日本でのHRT
日本ではこれまで経口剤、貼付剤が使用されてきたが、2007年に国内初の「肌にぬるプッシュ式ボトルのジェル剤型」エストラジオール外用剤「ル・エストロジェル」が新たに承認、発売された。塗布跡が残らず皮膚刺激も少なく毎日の使用が簡便で一定量が取り出せるのが特徴である。
向精神薬
エチゾラムなどの抗不安薬や、抗不安作用の強いクロチアゼパムが使用される。抑うつ症状が強い場合はSSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI (セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)が第一選択となる。
漢方薬
漢方では女性の更年期症状に対しては加味逍遥散・桂枝茯苓丸・柴胡加竜骨牡蛎湯・女神散などが用いられる。虚証と実証では、選択する漢方薬が異なる。
プラセンタ療法
日本では、女性の更年期障害の治療薬としてメルスモン製薬が作っているメルスモン注射薬が保険収載されている。1956年に厚生省より承認された。
心理療法
精神科医や心療内科専門医の協力下に、認知行動療法、バイオフィードバック療法なども行われる。ストレス管理や環境調整が行われる場合もある。特に性交障害などの女性性機能障害(female sexual dysfunction;FSD)は、エストロゲン補充も有効とはされるが、治療の中心となるのは行動療法やカウンセリングである。
除外診断
うつ病や甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、悪性腫瘍、精神疾患などが鑑別診断として挙げられる。更年期で多く見られる「易疲労感」などの症状は非特異的な症状であり、これらの疾患群でも良く見られる症状である。甲状腺疾患は更年期にも頻度の多い疾患であり、しばしば鑑別上問題となる。神経症、うつ病、統合失調症などの精神疾患との鑑別には、心理テストの Cornell medicalindex(CMI)健康調査表や Self-rating Depression Scale(SDS)などが使用されるが、これら精神疾患と更年期障害は合併することもあり精神科専門医との共同診療がしばしば必要とされる。
ホルモンの減少例
「50歳前後の女性で、起床時などに手の指が動かしにくくなる『朝のこわばり』を訴える方が多くいます。手指の痛みを伴うこともあります。関節リウマチの初期にも同様の症状が出るが、検査をしてもリウマチではないケースがほとんどだそうです。
手がこわばると握力が不十分で、包丁など物を取り落としてしまうこともある。「自分の体はどうなってしまったのかとショックを受ける人もいますが、じゃんけんのグーとパーを繰り返すことで、握力は簡単に回復するそうです。
関節リウマチとの違いは、関節の炎症は伴わないこと。また、関節リウマチでは症状が次第に悪化していくが、更年期の関節症の場合には、閉経直後の半年間が最も症状が強く、その後、数年で徐々に消えていくという。正式な医学用語は無いものの、こうした関節症状は更年期の女性によく見らるとのこと。更年期はただでさえ不安が強い時期。症状の一つに関節症があることを知っておくだけでも、気の持ちようが変わってくるのではないだろうか。
関節症状が更年期によるものか他の病気によるものかは、採血や磁気共鳴画像装置(MRI)による検査で判断できるという。
こうした症状は、閉経に伴って、卵巣からつくり出される女性ホルモンが急激に失われることが原因と考えられ、女性ホルモンを補うホルモン補充療法によって軽減されたり、消えたりする。
「脂肪組織からも女性ホルモンはつくられるため、脂肪が少ない痩せ形の人の方が、手のこわばりが強く出る傾向があり、更年期以外では、卵巣がんなどで両側の卵巣を切除した場合や出産直後の生理が停止している時期にも、同じ症状が表れることがあるそうです。
自律神経失調症
自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)とは、交感神経と副交感神経の2つから成り立つ自律神経機能の失調によると思われる病態の総称。 自律神経機能障害とも呼ばれる。
自律神経とは血管、リンパ腺、内臓など自分の意思とは無関係に働く組織に分布する神経系のことであり、呼吸や代謝、消化、循環など自分の意思とは無関係で生命活動の維持やその調節を行い、絶えず活動している神経である。
原因
薬物やアルコールの過剰摂取、著しい精神的ショックを起因とするもの、また女性では更年期が原因のホルモンバランスの乱れ等が挙げられるが、遺伝的に自律神経の調整機能が乱れている患者も存在するため一概に言う事は出来ない。しかし、少なくとも患者の半数は日常生活上のストレスがあると言われている。
症状
めまい、冷や汗が出る、体の一部が震える、緊張するようなところではないのに動悸が起こる、血圧が激しく上下する、急に立ち上がるときに立ち眩みが起こる、朝起きられない、耳鳴りがする、吐き気、胃もたれ、頭痛、微熱、過呼吸、倦怠感、不眠症、生理不順、味覚障害といった身体症状から、人間不信、情緒不安定、不安感やイライラ、被害妄想、鬱状態など精神的な症状が現れることも多い。
自律神経失調症には様々な症状があり、病態は人それぞれの為、判断しにくい。どの症状がどれだけ強いのか弱いのかは患者それぞれである。患者によっては、その他の症状はあまり強く現れないにもかかわらず、ある特定の症状のみが強く表れる場合もあり、症状はきわめて多岐に亘る。また、シェロンテストで異常がみられることも多い。
治療
多くの患者は内科ではなく心療内科や神経科に通院する。治療には抗不安薬やホルモン剤を用いた薬物療法や、睡眠の周期を整える行動療法などが行われている。最近では体内時計を正すために強い光を体に当てる、見るなどの療法もある。
西洋医学での改善が認められない場合は、鍼灸・マッサージ・カウンセリングなどが有効な場合もある。
成長時の一時的な症状の場合、薬剤投入をしないで自然治癒させる場合もある。また、自ら自律訓練法を用いて心因的ストレスを軽減させ、症状を改善させる方法もある。
また、薬物療法において、自律神経を調整する作用を持つトフィソパムの投与も有効である。なお、ストレスが影響している場合は、「ストレス管理」も重要。
漢方薬
漢方薬の場合、若年から老年まで幅広い年齢に適用できる。漢方で副作用が既往に生じたものは原則として適応外。症状と所見を元にした頻用処方を以下に示す(主訴→随伴症状の順)。
この病気は実際にはうつ病、パニック障害、過敏性腸症候群、頚性神経筋症候群や身体表現性障害などが原疾患として認められる場合が多く、原疾患が特定できない場合でもストレスが要因になっている可能性が高いため、適応障害と診断されることもある。また、癌などであっても似たような症状が表れることがある。
また、原疾患を特定できない内科医が不定愁訴などの患者に対し納得させる目的でつける、と言う否定的な見解もあり、内科で自律神経失調症と診断された場合は総合診療医などでさらなる診断を受けることを勧められている。